「そこの黒い覆面かぶったボタンインコさん、いきなりですけどね うちのオカンがね 好きなオヤツがあるらしいんやけど、その名前をちょっと忘れたらしくてね」
「こはるさん、オヤツの名前忘れてもうて オタクのオカン どうなってんねそれ」
「まあ、色々聞くんやけどな さっぱり分からへんねんな」
「分からへんの? いや ほな俺がね オカンの好きなオヤツ ちょっと一緒に考えてあげるから どんな特徴ゆうてたかってのを教えてみてよ」
「あのーツブツブしてて フサフサしてるやつやって言うねんな」
「おー アワホやないかい その特徴はもう完全アワホやがな」
「アワホなぁ」
「すぐ分かったやん こんなんもー」
「でもこれちょっと分からへんのやな」
「何が分からへんのよー」
「いやボクもアワホと思うてんけどな」
「そうやろ」
「オカンが言うには 晩ご飯で出てきても全然良いって言うねんな」
「ほなアワホちゃうやないかい 晩メシでアワホ出てきたら HOEIのケージごとひっくり返すもんね アワホはねー スペシャルなオヤツやから食べてられんのやで」
「そやねんそやねん」
「アワホちゃうがな ほな もうちょっとなんか言ってなかった?」
「食べてる時に 誰に感謝してええか分からんらしいねん」
「アワホやないかい アワホは生産者さんの顔が浮かばへんのよ ね? 国産ならまだしも、おフランス産とか中国産とかなると、ボンジュールとかニイハオとか言えへんもんね?」
「そやねんそやねん」
「アワホに決まりそんなん」
「でも分かれへんねん」
「分からへんことない おかんの好きなオヤツはアワホ もぉ」
「でもオカンが言うには アワホではないって言うねん」
「ほなアワホちゃうやないかい オカンがアワホではないと言うんやから アワホちゃうがな ホンマに分からへんがなこれ どうなってんねんもう」
「んでオトンが言うにはな」
「オトン?」
「サバの塩焼きちゃうか?って言うねん」
「いや絶対ちゃうやろ もうええわー」
「ありがとうございましたー」
/ koharunrun♪