朝晩の冷え込みが はっきりと感じられるようになって、こはるの部屋も温度管理が必要になってきた。朝晩の気温が下がってくると、こはるはオトンの手の中で暖をとりながら、オカンが何をしているか目で追って・・・
あれ?オトンは帰ってきたけど、オカンの姿が見えないな。
実はオカンは一泊二日で熱海の研修所とやらで、なにやらアヤシイ集会があるらしく、この夜は帰ってこなかったのだ。
朝方、オカンは出がけに、しっかり「今晩は帰れないからね!」「ちゃんとイイコでいなさいね!」「(イケメンの)オトンの言うこと聞きなさいね!」と言い聞かせていたのだが、ちゃんと伝わっていないのか、そんな要求を飲むわけにいかないのか、一部表現に問題があるのか分からないけど、とにかく、オカンを探し続けている。
いつもだと、オトンが出張でオカンと二人きり、という状況が多く、それには慣れっこな こはるだけど、今回は気の利かないオトンがオロオロとウロウロしているだけなので、こはるはイライラ。
外からなんかの音が聞こえるたびに、短足の割に長い首を伸ばして、気配を伺うこはる。
夜はなんとか寝かせて、翌朝になると遂に玄関先まで迎えに行く こはる。
健気な姿ではあるけれど、万が一のことがあるといけないので、玄関にはなるべく行かせたくない。
なだめすかして、あれこれ手を変え品を変え、指先のマジュチュシ(魔術師とも言う)は必死にこはるの意識のホコ先を変える。とは言え、先日4歳になって大人度が増したインコさん。口で言うほど簡単にはいかない。
この時点で、出勤時間のリミットを10分オーバーしてしまっている。
そんなわけで、この日は時間切れにて、続きはまた改めて。
/Naoking