最近、オトンが山に芝刈りに行く日もオカンが川に洗濯に行く日も減って、家にいる時間が多くなったような気がする。だいじょうぶなのかな。ボクのごはん代はちゃんと稼いでいるのかな?
まあ、せっかく家にいるんだったらしっかりボクの相手をして欲しいところだけど、今日だけは少しヤツらと距離を置きたい。
さっき、ヤツら二人で〝クリニック〟がどうとか〝ツメキリ〟も、とか言ってるのが聞こえたからだ。イヤな予感がする。
オトンにモフモフさせながらも、このままの態勢でいていいのか心配だ。向こうでオカンがお出かけ用の小さいケージを出している気配がする。何かの危機が迫っていると感じるのはインコの野生的勘だ。
マジやばい。どうしよう。この場から離れた方が良さそうな気はするのだが、モフモフのカ・イ・カ・ンからも離れがたい。
時間は刻々とすぎていく。少しおなかもすいてきた。食べ残しの粟穂のことも気になる。
出かける準備を終えたらしいオカンがなんか言っている。
あの狭いケージには何回か入ったことがある。家にはもう一つ中くらいのケージもあって、それに入ると日光浴ができたり、近所の散歩に連れて行ってもらえたりするから大好きだけど、あの小さいケージにはいい印象がない。
ボクは決めた。寝たフリだ。
オトンもオカンも、ボクが手の中で寝始めると絶対動かなくなる。今まではそうだった。
今回もヤツらの気が変わるまで、ひたすら寝たふりで時間稼ぎだ。今はそれしかない。
>> 続く ‥ことは無いかもしれない。
/ Naoking