朝、玄関から新聞を取ってきて、さて昨日までの世界情勢は・・・と確認する間もなく、こはるに一面を占領されてしまった。
彼は彼なりに記事を噛みしめているようなので、その邪魔をしない程度に中のページを抜き取って読もうとしたら、あの羽生君のスポンサーが彼の偉業を讃えつつ自社のPRも。
数年前、この広告主である航空会社の創立60周年のコンセプトが「ココロノツバサ。」というもので、〝飛びださなければ世界は変わらない〟〝すべてのひとの心に翼はある〟・・みたいな内容だった記憶がある。その延長線的にうまく翼とジャンプを重ね合わせて、さすが上手なイメージ広告だ。
こはる達の翼は、地球上のどの生き物や機械よりも、軽く柔軟で風を自在に操る事ができる。こんな小さな体なのに翼を自在に動かせるだけの筋肉を備えているし、体全体が空気の抵抗を極限まで減らす滑らかな形状をしている。
鳥が空を飛ぶ原理を応用して飛行機の翼が作られた。こはる達鳥の仲間に比べれば、人類の空を飛ぶ技術と言うのはまだまだ及びのつかない世界。何万年と空を飛び続けた鳥達の飛ぶ目的や飛ぶ環境に合わせた進化の工夫が解析できれば、飛行機やヘリの事故というのを無くせるんだろう。
飛行速度や垂直離着陸においては、人間は鳥に勝る力を手に入れたというが、やはり自分の意思の思うがままに空を飛んでみたいと思うし、人はそれに憧れてきた。しかし、神秘的な羽の作りさえも未だ未知の部分が多い。
ん・・すごいな、鳥たち。
まだまだ空の先達である鳥達に学ぶことは多い。
オトンは新聞からも学びたいことがあるから、早めに返してね。朝は忙しいんだから、羽を伸ばしてる暇はないんだ。
翼は誰にでもあるというから、オトンにもあるのかな。こんなに生きてきたのに出し方も広げ方もわかんないや。
/ Naoking