こはるの住む2丁目も急に寒くなってきた。
季節は小雪。七十二侯では、毎日少しずつ存在感を増してきた北風が、木々の枝から枯れ葉をすっかり吹き飛ばしてしまう頃と言われている。
風が吹きやんだ時に、ふと現れる寒々とした景色に不完全なものへの美を見出すことも、日本人が育てた大切な感性のひとつだ。枯れ、冷えることをやがて「わび」「さび」への世界へと昇華させていった先人の世界に思いをはせてみよう。
道ゆく人も、飛び立つ鳥も、足早に家路を急ぐ季節になってきた。こはるは特に家路を急ぐ必要はないけれど、こはるを待たせているオカンやオトンは、やはり早くこはるの待つ我が家に早く帰りたい。待つ身より待たせる身が辛いとは、流行り歌にも良くあるフレーズだ。
北風が寒くても、心に太陽を。
外が寒くても胸もとに、こはるを。
ほくほく。
/ Naoking